ガウディのグエル公園とトリアス邸~デザイナーズマンション・ファンのルーツ


今や世界遺産となったアントニオ・ガウディのグエル公園。入り口のトカゲが有名ですね。

(Photo (c) by Raúl Polanco Montiel from Wikimedia)

そのあまりに先進的でクリエイティブな思想や価値観が、作られた当時の人々には受け入れられず、公園内に近未来の田園都市として60軒の住宅が計画されたものの売れたのは1軒だけ。で、失敗に終わった未完のプロジェクトとなり、この公園内には住宅はないようです。天才の芸術というものは万人には受け入れられないものなのですね。

でも、奇抜なデザインばかりがとりあげられますが、ガウディは建築家として機能性も十分に検討していたようです。大規模造成を避けるために自然の地形をなるべく活かし4つの高架橋によって高さの異なる宅地を連絡する計画を練り、これらの橋梁を当時先駆的とも言えるプレハブ工法を採用して、僅か2年で構築したそうです。

■トリアス邸

さて、ガウディとともにこのグエル公園に関連して歴史に名を残した人が、依頼者のグエルは当然として、(ガウディとグエルが住んだ2軒を除いて)唯一の購入者の「トリアス」さんです。

(Photo (c) by http://www.flickr.com/photos/missmiou/)

トリアスはお医者さんとも弁護士さんとも言われていますが、天才ガウディのデザイナーズ物件を購入した人として後生に名を残しました。まあ残ったのは名前だけですけど、あなたは偉いぞ、トリアス。

デザイナーズ・マンションのルーツというより、デザイナーズマンション・ファンのルーツ「トリアス」ですね。

私はガウディだけでなく、グエルさんやトリアスさんのようなクリエイターを影で支えた人々も讃えます。トリアス家に幸あれ。

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